中村僚我ソムリエによるWOSA公式南アフリカオンラインコースチャレンジ講座「白ワイン編」、9/1に開催しました!

こちらの講座は、昨年リリースされた【WOSA(南アフリカワイン協会)オンラインコース Level.2】の公式コースを、日本語で解説する講座。

*オンラインコースの資料はこちら

電子版の教科書は、74ページと充実した内容。ワインのスタイルと品種でLesson1~10に分かれています。
分かりやすくまとまっているものの、ちょっと英語でいきなり全部読み通すのは大変……。

今回の講座では、この英語資料をもとに、中村氏にポイントを押さえてレクチャーして頂きました。


2023年の第10回全日本最優秀ソムリエコンクールでは3位に入賞し、【WOSA Sommelier Symposium 2023】日本代表ソムリエとして現地を訪れた中村氏。セミナーのなかでも、現地での経験を交えながら、臨場感たっぷりに解説してくださいました。

今回は「白ワイン編」ということで、以下の順に解説。
Lesson 1: Cap Classique
Lesson 2: Chenin Blanc
Lesson 3: Sauvignon Blanc
Lesson 4: Chardonnay
Lesson 5: Sweet Wines

英語の長文を読むときのポイントなども、教えて頂きました。
コツを押さえれば、教科書を読破するのもずっと効率的に、速くなりますね!
(資料で黄色くマーカーされていた部分は、重要な印。修了試験に出るかも?!)

個人的に、シュナンブランのパートでご紹介されていたシュナンブラン協会の取組みは特に印象的でした。
シュナンブラン協会では、シュナンブランの味わいを示すために、‟Style Indicator”を提唱しています。Rich-Fruity-Freshの基準で印で表記することで、飲み手にパッと一目見てわかるようにするものです。


講義でもお話あった通り、シュナンブランは、スタイルは大きく6つに分かれます。
・フレッシュ&フルーティー
・リッチ&ライプ 樽なし
・リッチ&ライプ 樽あり
・リッチ&ライプ 半甘口
・スウィート
・スパークリング

よくversatileといわれるように、多様なワインが造れるのはシュナンブランの強みでもあります。
それだけに「シュナンブランってこんな味!」というのが分かりにくいのもまた事実。
泡や甘口ならまだしも、「白ワイン」のラベルだけではなかなか自分の想像した味わいか分かりません。もし一目でわかるようなラベルが普及すれば、飲み手にも親切ですよね。

そのほかシュナンブラン協会では統計資料も豊富なので、ぜひこちらのサイトもご覧ください。


今回のテイスティングは白5種類+ロゼの全6種類。
以下は中村ソムリエによるコメント。

<ワインアイテム>

  1. Van Loveren/ Blaauwklippen Chenin Blanc 2022(ヴァンロヴェレン/ ブラーウ クリッペン シュナンブラン) 
    輸入元:飯田
    参考上代 ¥2,800(税別)
    ステレンボッシュの南、海岸からの風を受けるヘルダーバーグの畑のシュナンブラン。黄りんごやネクター、アプリコットなど核系果実、ジャスミンなどのお花やドライハーブなど、凝縮したフルーツとフローラルな香り。フルーツは、熟したというよりは皮がぱりっとしたタイプ。澱と熟成することで、ワインにかみしめるような厚みが生まれている。じわっと伸びていくような酸が魅力で、フレッシュすぎず厚みがありすぎず、上手くバランスの取れたワイン。2000円代後半は素晴らしいクオリティ。「すごく美味しいですね!」

  2. Stellenrust/ Barrel Fermented Chenin Blanc 2022(ステレンラスト/ バレルファーメンテッド シュナンブラン) 
    輸入元:マスダ
    参考上代 ¥3,900(税別)
    同じステレンボッシュでもヘルダーバーグとは正反対の北側にあるボッタラリー・ヒルズの畑。樹齢58年の古木のシュナンブラン。同じシュナンブランでも1とは全く異なり、リッチ&フルーティで、香りのインパクトが強烈。ブドウ自体が熟しているのと、古木の凝縮感、木樽由来の甘やかなスパイス感もはっきりと感じられる。
    完熟したアプリコット、ネクタリン、黄りんご、トロピカル(パイナップル、マンゴー)、綺麗な大ぶりな百合を思わせる花。樽からくる甘やかなスパイス、バニラやシナモン、ブリオッシュのような香りもあり、ドライで厚みのあるスタイル。残糖はないが、熟した甘みがあり、「もぐもぐしたくなるような」食感。
    ※この「もぐもぐしたくなるワイン」は、また後でも出てきます。

  3. KWV/ Cathedral Cellar Sauvigon Blanc 2023(ケーダブリュブイ/ カテドラルセラー ソーヴィニヨンブラン) 輸入元:国分グループ本社
    参考上代 ¥2,510(税別)
    冷涼地域のダーリン地区のSBを使用。まず最初に英語で「pungent」と表現するような、ピリッと来るようなアロマ。白胡椒、ライムゼストやかぼす、すだちのような和柑橘、フレッシュハーブ、ミント、タイム、シトラスブロッサム。冷涼な地域のSBらしく、酸味と塩味を感じ、澱と2カ月接触しているからか、飲んだ後のテクスチャがしっかり残るワイン。「価格とのバランスも素晴らしい」と高評価。

  4. SHANNON Vineyards Wine/ Oscar Browne Chardonnay 2021 (シャノン ヴィンヤーズ&ワイン  / オスカーブラウンシャルドネ)
    輸入元:スマイル
    参考上代 ¥5,000(税別)
    日夜の寒暖差が激しく冷涼なエルギン。気候が変わりやすくVTの影響を受けやすいエリアともいえる。シャルドネは南アフリカでは歴史が浅い分、古木はあまりないが、「樹齢21年だけど、このクオリティ!」。果実はしっかり熟して香りの密度が強く、マンゴやパイナップルなどトロピカルフルーツ、熟した黄りんご、洋梨、新樽からくるトースト、バニラ。蜜蝋のニュアンス。果実の凝縮感、フレーバーの強さがありつつ、酸味や塩味はフランスっぽくもあり、まさにオールドワールドとニューワールドの融合ともいえるシャルドネ。「いやー素晴らしいです」とにっこり。

  5. Rall/ White 2020(ラール/ ホワイト) 
    輸入元:ラフィネ
    参考上代 ¥6,200(税別)
    とりわけ評価の高いRallのケープ・ホワイト・ブレンド。
    香りからワインの厚みがうかがえ、熟した柑橘系から、ややトロピカル。爽やかさがありつつリッチなキャラクターという相反するキャラクターは、ブレンドならでは。これも「もぐもぐしたくなるワイン」。つまり、飲み込んだ後に口の中にテクスチャがしっかり残るワイン。こういうワインは食感のいいもの、例えば甲殻類や貝、白身肉などぷりっとしたものとすごく相性が良い。ブレンドのメリットは、合わせる料理の幅が広く、温度や抜栓時間で化けるところ。

  6. Glenelly/ Le Rose de May 2022(グレネリー/ ル ロゼ ド メイ)
    輸入元:マスダ
    参考上代 ¥2,400(税別)
    現地でも良く飲まれるロゼ。こちらは名門グレネリーのロゼで、シラーを全房のまま直接圧搾した珍しいタイプ。スパイス感があり、ピンクペッパーや小ぶりなグロゼイユ、レッドカラント、赤すぐりのようなチャーミングな香り、甘さがありつつ酸がしっかり残っているさくらんぼのニュアンス。南アフリカの料理は魚介からお肉まで豊富で、塩味や甘みなど味付けがしっかりしているので、ロゼはとても相性がいい。

トップソムリエならではの的確なテイスティング・コメント、何より試飲した後の、「うーん♪」「いやー素晴らしいですね」の言葉に、私までも嬉しくなってしまいました。
地図やGoogle earthで畑の位置を確認しながらの解説で、海や風の影響など、微小気候も理解できたのではないでしょうか。

次回の赤ワイン編は、10/14(月)、こちらもまだ申込可能ですので、単発でもぜひお申込みお待ちしております。

■「赤ワイン編」:10月14日(月・祝) 15時~17時
・ヴィノテラスオンラインZoomにて配信(録画配信あり)
・参加費:各6600円(税込) 小瓶50㎖×6本セット付
詳細・申し込みはこちら

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<Aya Mizukami>